2013. 8.1 Thursday

「新・株価指数」の骨子が公表された。


日本取引所グループの斉藤
CEO30日、開発中の新株価指数を構成する銘柄の
採用基準について、資本をどれだけ効率的に使って利益を上げているかを示す「
ROE」を軸とする考えを明らかにした。 ROAでもROICでもなく、ROE・・・。

 

また、同CEOは、「投資家にとって魅力の高い日本企業を国内外にアピールし、日本の証券市場の活性化につなげたい。」と語った。

 

これが本音。 要は「海外投資家好みの指標」を目指しているわけで、国外比で本邦企業のROEは低い傾向にあるため、企業全体がROEを見直す機運を高めることを期待していると言える。

 

すると、本邦企業は海外投資家の興味を惹くことに繋がり、株式市場全体が活気付くことを目論んでいるのだ。 でないと、名実共に「ガラパゴス市場」が定着してしまいかねない懸念があるからである。

 

日本取引所グループと日本経済新聞社が連名で公表した「共同開発中の新指数に係る骨子ついて」は資料を添付したので、全体像はそちらをご覧頂きたい。

 

 

さて、その中で銘柄選定方法の「選定基準」に関して、以下の様に記載されている。


『 以下の
2つの視点を軸に定量的な指標を総合的に評価して選定。

なお、財務数値などを使った定量的な指標以外に、定性的要素(ディスクロージャーに関する事項など)も銘柄選定に加味することを検討。 』


・ 企業業績に基づく指標(資本効率性に関する指標(:ROE)などを想定)

・ 市場流動性指標(市場での取引量や市場価値などを想定)

 


資本効率性を図るモノサシとして
ROEのみが採択されたわけでは決してないが、場合によっては先走りしてしまう危険性がある。

 

報道等によると、ROEを基に最大で500社を選んで算出するらしい。
すると、相当数の一部上場企業がふるい落とされることになり、表現は妥当ではないかもしれないが、「二流」のレッテルを貼られてしまうことになる。

 

従って、各社はROE改善に必死になることが予想される。

 

 

ROEは単純に算出するのであれば、「 ROE=当期純利益÷自己資本 」 となるが、一方でこの当期純利益はかなりの「曲者」なのだ。

 

減損会計や損失を伴う資産や事業の売却を先送り、また償却期間を延ばしたり年金の期待収益率を高める等、会計上の利益を高める手法は幾らでも考え得る。

 

そこで、コーポレート・ガバナンスや会計ディスクロージャー等、発行企業にとって負担を伴う制度面での課題への対応が強く求められるところである。

 

 


一方、投資家目線では、このチャンス
(≒利益の極大化+損失の極小化)をどの様に活かして行けばよいのだろうか・・・。

 

データベースを用いてROEランキングを表示させ、「チェリーピッキング」を行えば必ず儲かるのか・・・?

 

相場の世界は、そんな単純な理屈では、決して勝ち続けることはできない。

 



このチャンスから果実をもぎ取るためのヒントは、冒頭で述べた「
ROAでもROICでもなく、ROE・・・。 」にある。  

 


本コラムの性質上、個別具体的な銘柄をお伝えすることは差し控えたい。


但し、ご興味を待たれた方には、銘柄選択の考え方や手法その他に関するお問い合わせには個別にお答えさせて頂くので、遠慮なくドアをノックして欲しい。



 
( Image Photo )


( 写真をクリックして、図説ページを確認 ! )

 




≪ ご参考 ≫
日本取引所グループ・日本経済新聞社 連名
「 共同開発中の新指数に係る骨子ついて 」




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