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2014. 3. 8 Saturday

史上初のマイナス圏突入か・・・家計貯蓄率

未来永劫解消不能とも思われる財政赤字、恒常化が顕著となった貿易赤字、そしていよいよ困ったことに「家計貯蓄率」が、史上初めてマイナス圏に突入する可能性が高まっている。

内閣府の国民経済計算における「家計貯蓄率」は、家計全体の可処分所得から、家計全体の最終消費支出をマイナスし、年金基金準備金の増減を調整。
その値を可処分所得と年金基金準備金の増減の合計で割ったもの。

尚、可処分所得とは実収入から非消費支出(税金・社会保険料等)を引いたもので、消費支出とは世帯を維持していくために必要な支出である。

OECDの「家計貯蓄率」もほぼ同様の計算手法が用いられている。

家計貯蓄率低下の背景には、「高齢化の進展」と「各種増税等による可処分所得の低下」が存在しており、それを大きく覆すことは困難である。


ところで、2013年上期(1~6月)の経常収支は、約3.3兆円の黒字。
一方、下半期(7~12月)は、70億円の赤字となり、半期ベースで初めて赤字に陥った。

経常収支 = 貿易収支 + 所得収支 + サービス収支 + 経常移転収支
経常収支 = 貯蓄 - 投資

である為、 最近の我が国の状況は、概ね以下の通りとなる。
「 経常黒字(貿易赤字 + 所得収支黒字) = 貯蓄超過 - 財政赤字 」

すると・・・、
「 財政赤字 = 貯蓄超過 - 経常黒字 」 となるのだが・・・。

「 経常黒字 ⇒ 経常赤字 」 + 「家計貯蓄率マイナス効果による貯蓄超過の減少 」
が視野に入りつつあることから・・・、

中長期的に、「 財政赤字 」の規模は膨張せざるを得ない。
即ち、それは「ファイナンスの問題」に直結する。


現在、日本国債の国内消化率は9割を超えているが、いよいよ来るべき時がきたと考えておくべきであろう。

因みに、欧州財政危機問題で揺れたイタリア・スペイン、双子の赤字を続ける米国ですら家計貯蓄率は、そこそこの水準を維持し続けているのだ。


 
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