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2013.10.16 Wednesday

公債の「利払い費トレンド」が転換しつつある。

安倍首相が「成長戦略実行国会」と位置付ける53日間の臨時国会がスタートした。

重要課題が山積する中、そもそも審議日程の窮屈さは否めない。

 

首相は、来年4月に消費税を8%に引き上げることを踏まえ、財政再建と持続可能な社会保障改革を同時に実現することも訴えた。

 

しかし、「復興特別法人税」の1年前倒し廃止と、法人税の実効税率引き下げ議論も燻り続けるため、一部には「再び」肝心の財政再建が置き去りにされかねないという懸念が広がっている。

 


さて、下表をご覧頂きたい。


 
( Source : Toyo-Keizai)


( 写真をクリックして、図説ページを確認 ! )

 


『日本は、戦後これまで、一度も増税をしたことがない』のである。

 

加えて、改めて説明するまでもなく、名目GDP比で2倍に達する日本の公的債務残高は、突出して世界最悪の水準にある。

 

金利が数%上がれば利払い費の増加で財政がパンクする危うい状況なのだ。

その様な中、今回の消費増税の目的が財政再建であることは誰の目にも明らかである。

 

図説にて補足しておいた様に、既に金利低下による公債利払い費負担減少は限界に達してしまっている。 例え「第一の矢である異次元金融緩和」の効果で金利水準が横這いであったとしても、公債残高そのものが増え続ける限り、当然にそれは利払い負担増として跳ね返る。

 


尚、首相は「復興特別法人税の廃止は企業の活力を維持するために必要だ」と主張する。
つまり復興特別法人税廃止を、消費増税の反動減対策でなく、成長戦略のための税制改正と位置づけているのだ。

 

 


ところで、政府の試算によると、2013年~2022年度の平均実質GDP成長率2.1%のケースでも、2020年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)達成には、12.4兆円不足することが明らかになっている。

 

消費税率が201441日より8%へ、2015101日より10%へ段階的に引き上げられることがベースとされているにも係らずである。

 

仮に12.4兆円を、全て消費増税で賄うとした場合、更に5%程度、着地で15%程度への引き上げが必要となる。

 


それでも主要欧州諸国の20+αよりは低いレベルではあるが・・・。

 

そこまでのシナリオを描いて、今般の消費増税と法人減税が抱き合わせ議論されているとは考え難いものの、「将来に向けた布石」との見方を覆す程の理由も、また見当たらない。




≪ ご参考 ≫
2011. 1.22 ≪消費税率15%への地ならし・・・?≫


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