2012. 6. 10 Sunday
≪ 「今年のステーキランチ」・・・2億7,000万円でした! ≫
著名な投資家ウォーレン・バフェット氏との毎年恒例の「昼食会参加権オークション」が、 8日、 米太平洋夏時間午後7時30分に締め切られ、約346万ドル(約2億7,000万円)の過去最高額で落札されました。
尚、落札者はニューヨーク市内の老舗ステーキハウス「スミス&ウォレンスキー」で、ランチを一緒に楽しむことができます。
(写真をクリックすると「ランチ・メニュー」をご覧になれます。 但し、「バフェット・メニュー」ではありません。)
(Source : Smith&Wollensky HP)
バフェット氏のチャリティ昼食会は2000年にスタートし、今年が13回目。 開始価格はこれまでと同じ2万5千ドルで、オークションは米インターネットオークション会社eBAYを通じて行われました。
落札者は友人7人を招いて、バフェット氏と昼食を共にすることができるわけですが、食事をするだけでなく、関心を寄せる問題についてバフェット氏と意見を交換することも可能とのこと。
但し、株について話すことは禁止されています。 2008年に中国の投資家趙丹陽氏がバフェット氏との昼食会の席である株式を推薦したところ、株価が変動するということがあったため、バフェット氏は株の話題を禁止項目に加えたと言われています。
さて、こちらは、「これまでの落札額の推移表」です。
(こちら をクリックして、ご覧ください。)
13年間に亘る「強烈な右肩上がり」のトレンドを確認できます。
第1回目の落札価格は2万5千ドルでした。 2003年にはその約10倍の25万100ドルまで高騰、更に2006年には約62万ドルへと続騰して行きますが、2008年の趙丹陽氏(前出)による落札価格は、なんと一挙に200万ドル超えとなったのです。
そして、今年は一段と弾みをつけ、過去最高であった昨年の約260万ドルを大きく上回る350万ドル程度を記録しました。
2007年盛夏以降から続く一連の経済金融危機のネガティブな影響は微塵もみられません。
では、ここで近年の主な落札者達の簡単なプロフィールをご紹介しておきましょう。
2010年・2011年と連続して競り落した方は、テッド・ウェシュラー氏。
同氏は、ヘッジファンド(ペニンシュラ・キャピタル・マネジメント)の設立者。
バフェット氏は昨年9月、ウェシュラー氏を傘下のファンド会社の投資マネジャーとして迎え入れています。
2009年は、コートニー・ウォルフ氏。 バンクーバーを拠点とする投資会社サリダ・キャピタルのヤリ手女性CEO。 傘下の資源関連のプライベートエクイティ(PE)ファンドは、カナダ石油業者アサバスカオイルサンドからシードマネーを獲得したと言われています。
2008年の趙丹陽氏は、ヘッジファンド・マネジャー。
中国の「プライベート・ゴッドファーザー」とも呼ばれているとのこと。
2006年の落札者は、もう一人の中国人で、段永平氏。 中国の電機メーカー大手・歩歩高の創業者。 当時、これだけの金額は果たして見合うのかどうかという質問を受けた段氏は、「これはチャリティであり、昼食を購入した訳ではない。 だから見合うのかどうかは問題にならない」と答え、注目を集めました。
ところで、ご存じの方も多いと思いますが、この「バフェット・オークション」で調達された資金は「グライド財団(基金)」(創立者のセシル・ウィリアムズ牧師)に寄付され、様々なプログラムを通じて、サンフランシスコの救貧者を直接支援するために活用されてきています。
バフェット氏は、グライド基金とウィリアムズ牧師について次のように述べているとのこと。
「私が目にしたのは、絶対に誰ひとりとして見捨てることのない組織と個人です。 この方々は、世界のほかの人たちが諦めてしまうような人々、そして自分自身でも諦めてしまった人々を受け入れています。 この方々は、置かれている環境にかかわらず、すべての人間が可能性を秘めていると考えています。」
今年4月、前立腺ガンになったことを明らかにした同氏は、その様な想いを一層強めているのかもしれません。
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