2012. 10. 24 Wednesday
≪ジェンダー・ギャップ指数・・・日本、再び100位圏外へ転落 !≫
世界経済フォーラム(WEF)は24日、世界各国の男女平等の度合いを指数化した2012年版「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。
日本は、調査対象135カ国のうち101位で前年より3つ順位を落としてしまった。 1位は4年連続でアイスランド。 2位はフィンランド、3位はノルウェーと北欧勢が上位を占める。
同指数は、各国の社会進出における男女格差を示す指標で、経済活動や政治への参画度、教育水準、出生率や健康寿命などから算出されるもの。
「0が、完全不平等」・「1が、完全平等」を意味する。
こちら をクリックで、日本の過去7年間の推移等をご確認。
日本は0.65を中心に、2006年以降底這い状態にある姿を見て取ることができる。
一方、4年連続首位を誇るアイスランドは、なお且つ指数の改善をも進めている。
先に、当該指数の数値の定義を述べたが、対象国135カ国中、最下位のイエメンのそれが0.5054(2012年)であるだけに、日本の男女不平等の程度が依然として如何に大きいかを認識頂けるであろう。
因みに、WEFは全体ランキングに加え、所得(Income)グループ別(4区分)でもランク付けを施している。 日本は、米国、アイスランド、ドイツ等と共に、高所得(High Income)グループ(45カ国)に所属しているが、順位は下から7番目。
以降には、アラブ首長国連邦、韓国、クェート、バーレーン、カタール、オマーン、サウジアラビアと、韓国を除いて中東諸国が並ぶ。
現代においてもイスラーム社会では、名誉の殺人・女子割礼などの女性を差別する慣習がイスラームの名の下に行われている。
例えば、サウジアラビアでは女性の行動は著しく制限されており、女性は自動車を運転することも許されていない。 約1年前、反対運動の一環で車を運転した女性に対し、西部の都市・ジッダの裁判所が「無免許運転」の罪で、『 むち打ち10回の刑に処す 』という実刑判決が言い渡されたことは記憶に新しい。
そのサウジアラビアのジェンダー・ギャップ指数(2012年)は、0.5731。
我が国と、そう大差はない・・・。
尚、日本の場合、当該指数の構成要素別に、そのランキング(135カ国中)をみると、
・ ECONOMIC PARTICIPATION AND OPPORTUNITY :
0.5756 で、102位。
・ EDUCATIONAL ATTAINMENT : 0.9869 で、81位。
・ HEALTH AND SURVIVAL : 0.9791 で、34位。
・ POLITICAL EMPOWERMENT : 0.0705で、 110位。
となっており、政治・経済への参画が遅れていることが響いていると考えられる。
(本文とは関係ありません)
さて、女性として初めてIMFのトップに就任し2児の母として職場と家庭を両立させた経験を持つ ラガルド専務理事 は、月初、共同通信等との会見で「日本経済に活力をもたらす上で、女性が果たす役割は極めて有効だ」として、日本女性の能力を経済活性化に役立てることが重要である、と強調した。
また、17日に、同氏はNHKの「クローズアップ現代」に出演。 曰く・・・、
「人口減に直面する日本が1人当たりGDPの水準を守るためには労働力を補わなければならない。 外国から移民を受け入れる方法もあるが、矛盾を伴う。」
「それよりもパート労働者の権利を広げるべきだ。 女性が結婚・出産に縛られずに仕事へ戻れるよう、制度を整え、意識を変えなさい。」
NHKによると、「放映中の番組には、メールとツイッターだけで5,000件が寄せられ、大反響を巻き起こした。」とのことで、意見としては「30~40代の女性を中心に『勇気づけられた』『仕事に復帰したい思いが強まった』など好意的なものが多かった」模様。
今年6月には、「女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会議」が『「女性の活躍促進による経済活性化」行動計画
~働く「なでしこ」大作戦~』を公表している。
政権の行方や期待には全くもって不透明感が漂うが、超党派的に断行され、この作戦が成功を収めることを切に望んでやまない。
≪ ご参考 ≫
WEF : The Global GenderGap Report 2012
女性の活躍促進による経済活性化行動計画 ~働く「なでしこ」大作戦~
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