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2012. 3. 8 Thursday
「ひとり一台、 「ソーラー・ラジオ」 !

総務省は、岩手・宮城・福島の3県の被災者らを対象にした、東日本大震災時の情報通信手段に関する調査を公表しました。 震災「発生時」に最も有用だったのは、『AMラジオ』。 全体の60.1%が評価しています。  一方で、携帯電話は・・・。

 

同省は、三菱総合研究所に委託し、東日本大震災の発災時から平成234月末頃までにおける被災者の方々の情報行動やICTの活用状況についてインタビュー調査を実施し、「災害時における情報通信の在り方に関する調査結果」として取り纏めました。

 

調査の対象者は、上記3県にて、被災された方・ボランティア等の活動をされている方で計306 名。各人へのインタビューをも含め、平成239月〜平成241月に実施されたものです。

 




同調査結果の主なポイントは以下の通りです。

 

〇震災時に利用したメディアの評価

・発生時 : 即時性の高いAMラジオを評価。 次いで、FMラジオ。

・直 : 安否確認等を行う為の携帯電話・メールと映像を伴う地上テレビを評価。

4月末 : 行政機関・報道機関のHPや検索サイト等に対する評価が向上。

 

〇情報収集手段の変化

・直後や津波情報の収集では放送型ツール(ラジオ、テレビ)の利用率が高い。

・先進ユーザは、Twitter等を活用し、即時性・地域性の高い情報収集を実現。

 

〇メディア毎の傾向

・防災無線:

防災無線聴取者のうち、津波の到来について防災無線から情報を得たとする回答が66%に達しており、被災者の意識を避難行動へと切り替える(初動を促す)重要な役割との指摘。

 

・携帯電話:

身近に持っていた情報端末とする回答が95%に達しているが、震災直後以降、輻輳と物理的な損壊で長期間使用不能となり、孤立状態になってしまったことの悪影響を指摘。

 

・インターネット:

被災地でのインターネット利用は全体としては限定的であったが、震災直後から避難後にかけて、先進ユーザを中心にインターネットを活用した安否確認や地域に密着した情報収集等が行われており、有効活用した回答者の評価は高い。

 


以上に関連して、「発災直後の情報収集手段と評価」では、「実際に利用した手段」と「最も役立った手段」の『ギャップ』を認識することもできます。

 

具体的には・・・。

( 「」内は、主な意見要望。 一部抜粋。 )

 

・ラジオ : 利用した(42) vs 役立った(22)

「ラジオは情報を手に入れられたが、細かい情報まで入ってこなかった。」

 

・携帯電話 : 利用した(15) vs 役立った(2)

「携帯電話は無線なので災害の時こそ使えると思っていたが、全く使えずショックだった。」

「携帯電話の重要性を改めて認識した。 復旧・復興といった観点では、堤防の増強よりも、携帯電話の通信確保等の対策の方が必要ではないかと考えている。」

 

Twitter : 利用した(1) vs 役立った(4) ← 逆転 !

「地域の情報を収集するのにTwitterの地域のbotが役に立った。」

「安否確認手段としては、Person Finderは有効だった。」

「インターネットでの情報提供は、高齢者等(情報弱者)がいるということを無視している。」

 

・通信インフラ等その他

「避難所やエリア毎に分散し、最低いくつかは衛星電話を入れておくべき。」

「情報の入手手段は、電気が回復しないとだめ。 スマートフォンもずっとはつかえない。 充電しないといけないし、一番は電源。」

 

因みに、調査は昨年4月末時点での評価も尋ねています。
電気の復旧とともに携帯電話などの評価は高まり、携帯電話
(74.4)と地上波テレビ(61.9)が、AMラジオ(44.2)を逆転して行きました。

 


『デジタル・デバイドの解消』を十分に視野に入れた「通信インフラの整備・拡充」が急務でありましょう。
一方で、指摘のなされた様に、電源の保持も併せて不可欠です。

 


それにしても、停電時も乾電池で動き最新情報を得られる、実にシンプルな「
AMラジオ」が、災害「発生時」には最も有効であったことは、この日進月歩の情報化社会の中にあって、若干皮肉な現実でした。

 

薄型・軽量でコンパクトな、『ソーラー・ラジオ』・・・。
お一人一台、必携なのかもしれません。


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≪ご参考≫
災害時における情報通信の在り方に関する調査結果(概要・総務省)
災害時における情報通信の在り方に関する調査結果(三菱総合研究所報告資料)



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