2012. 3. 17 Saturday
≪「えっ、スマホ失くした!?」・・・96%の確率で不正アクセスされてしまいます。≫
米セキュリティー対策ソフト大手シマンテック(Symantec)は、実施した「おとり調査」の結果を公表。
「スマートフォン(多機能携帯電話)を紛失した場合、発見者に中の情報をあさられる可能性が高い」ことが明らかになりました。
「スマートフォンハニースティックプロジェクト(Smartphone Honey
Stick Project)」と名付けられた「おとり調査」は、具体的には次の様にして行われた模様です。
先ず、スマホに、ダミーの企業データや個人データをまとめて端末に入力、更には、その端末が発見された後、これらのデータに対して何が行われるかをリモートで監視できる機能を追加しておきます。
次に、当該50 台のスマートフォンを、ニューヨークシティ・ワシントンD.C.・ロサンゼルス・サンフランシスコ・オタワ(カナダ)の 5 都市で落とします。エレベーターやショッピングセンター・フードコート・バス停など、人通りの多い公共の場所にスマートフォンを置き忘れたふりをして、成り行きを見守ります。
ところで、調査会社のMM総研は、2016年度のスマートフォンの国内出荷台数が11年度実績見込み(2,340万台)の約1.5倍の3,555万台に拡大するという市場予測を発表しました。
携帯電話の総出荷台数に占める割合は83.4%に達することになります。
また、IT専門の調査会社である米国IDCは、2012年における中国のスマートフォン出荷台数が世界第1位になるとの予測を発表しています。
中国の占有率は20.7%。 米国は20.6%で僅差となる見込みとのこと。 尚、第3位は英国で4.5%、次いでインドの2.9%、ブラジルの2.3%となっています。
多機能携帯電話が生活に密着し益々浸透して行く中、気になる「おとり調査」の結果について、その主なポイントは・・・。
・ スマートフォンを見つけた人のうち、持ち主に返そうとした人は半数だけ。
・ 発見者の 6 割が、ソーシャルメディア情報や電子メールを見ようとした。
・ 発見者の 8 割が、企業情報(「HR Salaries(給与)」や「人事(HR Cases)」といった明確な名前の付いたファイルなど)にアクセスしようとした。
・ 発見者のほぼ半数が、持ち主の銀行口座にもアクセスしようとした。
・ 「紛失した」スマホの 96% が、発見者によって何らかのアクセスを受けた。
(An attempt was made to access at least one of the various apps or files
on nearly all – 96 percent – of the devices.)
同社は、
「ここで言いたいのは、『人間は悪い』ということではありません。人は何気なく好奇心を持ち、美味しそうなリンゴを目の前に置かれたら、つい一口かじってしまいがちだということです(中には何口もかじる人もいますが)。
ここから得られる教訓は、自分でモバイル端末を保護する必要があるということです。」
と述べた上で、
「実験に使われたスマートフォンに 対策を講じていれば、(プライベートも仕事も)すべてのデータを守れたはずです。」として、以下を推奨しています。
(詳細は、添付のご参考資料にて、ご確認ください。)
◎ パスワードによる保護。
◎ リモートから端末上のデータをワイプ(消去)する機能を付ける。
◎ 紛失したスマートフォンを見つけるためのソフトウェアをインストールしておく。
また、上記の他、「スマートフォンは、常に身に付けるか、安全な場所に置いておく」ことを心掛けるといった基本的なアドバイスも付け加えられていました。
一度盗まれたスマートフォンを取り戻せる確率は、おそらく限りなく 0% でしょう。 加えて、スマートフォンは、プライベートでも仕事でも隔てなく使われているため、(偶然にせよ意図的にせよ)携わっている仕事に関する情報も豊富に含まれています。
更に、スマートフォンを標的に、個人情報を不正に抜き出したり、架空のサービス料金を請求したりする悪質なソフト「マルウエア」の脅威が急速に広がっていますが、今後は、スマホによるオンライン決済が普及していけば、端末の遠隔操作による多額の金銭被害なども懸念されます。
今からでも遅くはありません。
できるところから、セキュリティー対策を試みておきましょう。
≪ご参考≫
The Symantec Smartphone Honey Stick Project(Symantec)
≪ご参考コラム≫
2011.11.26≪パスワードをご入力ください ! ・・・【 ●●●●● 】≫
|