2010.11.27 Saturday
≪投資家との対話は十分ですか・・・?≫
引き続き「上場制度に関する投資家向け意見募集に対して寄せられた意見の概要」を採り上げます。
寄せられた意見は様々な角度・観点からで、貴重な示唆に富んでいるものでした。
中でも、「会社と投資家の対話について」に掲げられた意見は、独立取締役の役割期待が見え隠れしています。
先ずは、貴重な意見をご紹介します。
「いくつかの会社は、投資家とのコミュニケーションにおいて最低限の法的義務しか果たそうとせず、ときに対話すら拒絶する。 投資家と会社のコミュニケーションは双方に利するものであるので、東証は会社が投資家に対して門戸を開き、投資家と対話することを推奨すべきである。」
「2009 年金融庁スタディグループ報告は、日常から、経営者との対話の中で、経営についての建設的な議論を充実させていくことが重要である旨を指摘しているが、これに加えて、双方の建設的な議論を行うことの意欲が必要であることを指摘したい。
各社は投資家との対話に前向きであるべきである。 しかし、いくつかの上場会社は投資家との対話に関する基本的な期待すら満たさず、非公開会社であるかのように振る舞い、対話を拒否した。投資家が会社と対話することでその会社についてよりよく知ることができるように、会社は投資家が提供する異なる視点・発想から得るものがあるはずである。」
「東証は、通常のチャネルでの対話が効を奏しなかった場合に備え、取締役の誰かを投資家との関係におけるコンタクトパーソンとして指定することを求めてほしい。」
一言で言うならば、「対話の機会を設けて頂きたい。」との主張です。
無論、実権者即ち会社の事業戦略に関わる決定権限保持者の一角との、という意味です。
日本経済が長期低迷状態を脱することができない中でも、内外の投資家の期待は大きくは低減せず、然るに代表取締役社長が社内で最も精力的に走り回らなければならない時代に突入しています。
よって、代表取締役社長との十分なコミュニケーションの時間を確保することは容易ではありません。 決して、投資家との対話を避けているわけではないのです。
会社に、「 Touch Point Key Person 」を設置すべきでしょう。
言うまでもありません。 適材な独立取締役の設置です。 少数株主の利益代表としての役割も担いつつ、内外の投資家と対話を重ねながら、相互理解・相互発展を目指し実現して行くための要となる人物の設置ということです。
尚、弊社では「独立取締役の選定」に代表されるコーポレート・ガバナンス対策等に関するアドバイスを行っています。
ご遠慮なく、お問い合わせください。
〈ご参考〉
東京証券取引所 HP
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