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2010.11.7 Sunday
≪「富裕層の恒久減税受け入れず」・・・プレジデント・オバマ≫
オバマ米大統領は、議会が対応しなければ年内に失効する「ブッシュ減税」に関連し、 「中低層は恒久減税を必要としているものの、(財政事情から)億万長者への恒久減税で7,000億ドルを工面する余裕はない」等として、共和党が求める富裕層の恒久減税化は受け入れられないとの認識を示した、と報じられました。
厳しい財政事情建て直しの矛先は、この国でも富裕者層に向けられています。

「ブッシュ減税」の根幹は、@年収3.375ドル(単身の場合、以下同)未満の層に10%という税率の枠を設けたこと、A年収34,000ドル以上の各階層において減税措置をとったこと、が特徴であるとされています。 この減税措置は今年末をもって失効となり、時限的な延長措置等が採られない場合、来年から該当世帯の税率が跳ね上がることが予想されています。

オバマ政権は、中間層には増税しないという選挙公約に基づき、年収195,550ドル未満の層に対しては現行法を適用させる一方で、それ以上の各階層においては失効させるという案が議会に提出されています。

尚、今年8月、米中間選挙に先立ち、ガイトナー財務長官は、富裕者層に対する減税措置について、以下の厳しい見解を示していました。(原文英語、翻訳して一部を引用)
-「(アメリカ国民の)上位2%に対する減税措置を永久に延期するというのであれば、次の10年間に我々は7,000億ドル以上もの借金をすることが迫られる。そうなれば、それでなくても持続不可能な水準になっている借金がさらに増えるということになる。」
-「アメリカは、10年前と比べてより平等ではない国になっている。これは、2001年と2003年に開始された上位2%に対する減税がその一因である。」
-「2007年の最も裕福な400人は、その年、平均3億4千万ドル以上を稼いでいる人々であるが、彼らは所得のうち17%しか税金として支払っていないのである。これは多くの中流階級よりも低い率であるのだ。」

日本でも、同類の議論が進行していることをご存知でしょうか・・・?
こちらは、菅直人総理(当時は副総理・財務相)の2月19日の衆院財務金融委員会での発言です。
-「この10年間で最高税率が下がってきた。その見直しも含めて政府の税制調査会で検討したい。」
-「現在の所得税では(所得の)再配分機能が低下している。所得税の最高税率は昭和61年には70%だったが、段階的に引き下げられて現在は40%となっている。」

例年、12月中旬には翌年度の税制改正の大綱が提示されます。
それに向け、現在議論が白熱しています。 目玉は何といっても「法人税減税」ですが、脇に隠れて所得税に関する動向にも注意を払いたいものです。

富裕層が主な対象となる増税であれば、国民感情を逆なですることもなかろう、といった考え方がその背景にあるからです。



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