2011. 3. 16 Wednesday ≪「ふるさと寄付金制度」も拡充を!・・・東北地方太平洋沖震災支援≫
平成23年3月11日発生しました東北地方太平洋沖地震により被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
総務省は、先日、生まれ故郷や応援したい自治体等、自らの住む地域以外の自治体に対する寄附金である「ふるさと納税」(ふるさと寄附金)の2010年度の実績を公表しました。
ふるさと納税は都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、個人住民税所得割の概ね1割を限度に所得税と合わせて全額が税額控除される仕組で、適用される下限額は5,000円からと比較的寄附しやすい設定になっていることが特徴です。
今回公表されたのは2009年度中に寄附され、2010年度に控除されたものですが、控除の適用対象者は全国で3.3万人、寄附金額は約65.5億円にも上っています。
ところで、東北地方太平洋沖地震の被災地や被災者宛には、日本赤十字社をはじめ各種の団体が義援金を募っている上に、善意で各方面の法人・個人が積極的に資金支援等を行うことを表明しています。
そのような中、被災地に近い首都圏では、消費者の買いだめにより幅広い商品が陳列棚から消えてしまっています。 また、関西では被災地の事業拠点に救援物資を送る企業の大量調達や被災地向けの出荷を拡大するメーカーの施策が品薄状態をもたらしています。
これでは、寒空の中凍えて当座の生活必需品を待ち続ける被災者に、物資が行き渡らない可能性が高まってしまいます。 少なくとも「衣・食・住」に関わる物資に加え、医薬品・医療器具、暖をとるための燃料、移動や搬送のためのガソリン等は優先的に被災地に届けられて然るべきでしょう。
これらの支援は善意で民間(企業や個人)を中心に行われており、それはそれで有意義なことであると感服する次第ですが、ややもすると「合成の誤謬」と化しているのではないかと懸念もしています。
この様な歴史的に稀にみる非常事態の中では、政治が主導して物流ルートの開拓・確保及び被災地宛の生活必需品の確保(含、購買)、搬送、配給を行う必要がある、それもできる限り迅速にと考えます。 所謂「非常事態を宣言」し、民間は一時的にその統制下にて行動する。
これは自由権の侵害等ではなく、全ての国民に安定的な生活を可及的早期にもたらすための「緊急避難的な措置」として行うべきでしょう。
そして政治(地方公共団体:県や市長村)が物資を購入する原資のひとつとして、「ふるさと寄付金」制度により集めた資金を活用するのです。
但し、この制度はどちらかと言うとこれまで広報がそれほど積極的でなかったことから、前述したように3万人程度しか活用していません。
今次の緊急事態に際して、改めて広報活動を行うと共に、「控除対象限度額(現状:総所得金額の30%)」の拡充を図るなど制度を充実させ、被災地支援に幅広く効果的な活用がなされるよう前向きに取り組んで頂きたいと考えます。
寄付者は社会的貢献をすることで、その恩恵として合法的に納税額を減らすことができるのです。 これに伴う税収の減少分は、被災地が次第に復興してくるに伴い経済活動の回復から補って行くことが可能でしょう。
さて、この寄附金控除を受けるためには、寄附を行った方が、都道府県・市区町村が発行する領収書等を添付して申告を行って頂くく必要がありますが、基本的にはそれだけで煩雑な手続き等は不要なのです。
尚、上記以外にも、寄付金が「特定寄付金」に該当する場合、所得控除を受けることのできる制度も手当てされています。
被災された皆様はもとより関わる数多くの方が、一日でも早く平穏な日常生活を取り戻すことができますよう祈念申し上げます。
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