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2010.12.17 Friday
≪「雇用と格差是正」が核心とされた税制改正・・・富裕者層を狙い撃ち≫

「お金に余裕のある皆さんにはご負担いただくが、結果として正社員の拡大につながり、総合的に格差が是正される」と管総理の言・・・。 16日の臨時閣議で決定された平成23年度税制改正大綱では、「法人税減税などで雇用拡大を促すとともに、高所得者を中心とした増税で格差を是正する方向性」が示されました。 富裕者層はもちろんですが、高所得者と位置付けられた階層にも直撃を与える内容になっています。

法人税実効税率の5%引き下げをはじめ、企業関連で5,800億円の減税になったのに対し、所得税の控除見直しなどで個人増税は6,200億円に上り、差し引き約400億円の増税(国税の平年ベース)となった等と報道されています。 9,800億円(国・地方合計)の増税だった平成22年度に続き、2年連続の増税です。

ところで、10月23日付けのコラムで、以下を述べておきました。
「五十嵐副大臣の相続税課税強化はどの様に図られようとしているのでしょうか? 二つの手法が考えられます。 ひとつは、現行の3億円超に適用されている最高税率50%について、金額による累進の階段を増やし、例えば10億円超20億円以下を60%・20億円超50億円以下を70%・50億円超を80%にすること等が考えられます。 二つ目は、納税対象層を拡大させるとの観点から定額基礎控除額を3,000万円に引き下げ且つ法定相続人数比例基礎控除額を500百万円×法定相続人の数とする等があり得ます。

手法のポイントとして、「累進の階段を増やし最高税率を引き上げる」「基礎控除額を削減することで対象層を拡大させる」といった点でしたが、今般の大綱では、そのいずれもが採択され、且つその2つを組み合わせた体系が示されました。 確かに相続税の課税対象割合が約4.2%に過ぎない点は、もはや制度として機能していないことを現わしてはいましたが、富裕者の保有する財産にはその影響がもろに及ぶ仕組みが構築されつつあります。

「構築されつつあります。」とは、今般提示された体系が最終的なものではなく、将来的に更なる課税強化が施されるであろう、との意味です。

同時に、予想の通り贈与税に関しては一定の緩和策(主に、20歳以上の者が直系尊属より受贈する場合等)が講じられました。 が、最高税率も50%から55%に引き上げられた為、(45百万円や30百万円など)一定金額を超える贈与がなされる場合、納税額が増えてしまうことが想定されます。 特に、いわゆる資産家にとっては、狙い撃ち的な増税策と言えるでしょう。

さて、金融証券税制に関しては、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)の適用期限が2年延長されました。 来年央以降の株式市場に対する圧迫要因のひとつとみられていたことから、まずはホッとしたところです。

但し、上場株式等を「かたまり」として所有している方、一般的には上場会社の創業一族等が該当するものと思われますが、以下の改正が記載されたことには十分な注意が必要です。

「上場株式等に係る配当所得の分離課税等の対象とならない大口株主等が支払を受ける配当等の要件について、配当等の支払を受ける者が保有する株式等の発行済株式等の総数等に占る割合を100 分の3(現行:100 分の5)に引き下げます。 (注)上記の改正は、平成23 年10 月1日以後に支払を受けるべき配当等について適用します。」

例えば、主宰法人の発行株式総数の約4.9%を所有する創業社長の配偶者の配当金年額が税前で2,000万円であった場合、現行制度(分離課税採択)下では、所得税・住民税合計で10%の課税がなされ手取りは、1,800万円となりますが、今般の改正が成立した後は、所有割合が3%を超えているため「大口株主」に該当することとなり、「源泉徴収制度」や「申告分離課税制度」を活用することができなくなると思われます。 従って、手取り額が約半分にまで減ってしまう(900万円程度の手取り額の減少)可能性が高いと考えられます。

では、3%を上回る分の株数を売却すれば良いではないか、との考え方もありますが、それは創業一族の主宰法人の支配権(議決権)割合と直結しており、また一般投資家に先駆けてその様な行動に出ることは社会通念上も好ましい姿とは考え難いこと等から、より慎重な対処策を模索して行く必要があるでしょう。

尚、本税制改正は、税制改正法案という形で国会へ上程され、衆議院・参議院で可決されて成立します。


弊社では、合法的に経済合理性を持って時代を見据えた資本政策等のアドバイスを行っています。
ご遠慮なく、お問い合わせください。



〈ご参考〉
内閣府 税制調査会 HP


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